
里山整備のこと
森の整備ってなに?
なぜ森の木を伐るの?

生命の源であるこの美しい水の流れは、
長い時間をかけてゆっくりと浸透するシステムによって育まれます。
森に降った雨は、森の土壌に浸み込んで蓄えられ、更に地下へ浸透し、ゆっくりと濾過され、
カルシウムやリンなど多種のミネラルを吸収して、栄養を含んだ湧水となって川へと流れます。
このシステムの入り口である、”水を蓄える土”とは、
根っこや菌類の活動によってできる、小さな隙間の多い土で、
そういう土は健康な森で形成されます。
健康な森とは、木の根っこがよく張り、植生も豊かな森です。
森には天然林と人工林があります。
天然林は、遥か昔に自然に芽生え、自然に育った森で、
種類・年齢の違う木が入り混ざっていて、
強さや寿命もそれぞれ異なります。
ある木が寿命を迎えて倒れると
そこに光が入り、新たな木が芽生え、育ちます。
そうして自然にゆっくりと更新されていきます。
人々は昔から、薪や炭、しいたけ栽培等で利用してきました。
人間の利用によって、適度な間伐となり、
森の更新が活発になって、よい状態が保たれていました。
人々は持続可能な範囲で森を利用し、関わってきました。
私たちはこの森を里山と呼んで親しんできました。
人工林は、主に戦後の拡大造林で人によって植えられた針葉樹林で、
同じ種類、同じ年齢の木が密集しているので、
どれかが先に寿命で倒れるということはなく、
ある程度まで成長してスペースがなくなると、
成長が止まったままになります。
成長できないと、根も広がらないので、土壌が保持されにくく、
雨水等で流されて地表が固くなってしまうと、水を蓄えられなくなります。
また、根も幹も弱いままで不健康な状態なので
台風や病気などで、共倒れする潜在的リスクがあります。
人工林が健全に成長するには、適切な間伐などの整備が必要ですが、
現在はその多くが放置されている状態です。
このまま放置が続けば、森の状態はどんどん悪くなる一方です。
ですが、いま森の整備を始めれば、5年後くらいから変化が見られ、
10年後、20年後には良い状態の森を見ることができます。
そして60年後、100年後の水源の涵養につながります。
自然環境が良くなるには、長い時間と大きな力が要りますが、
ひとりひとりの小さなアクションから始まり、
そのつながりによって大きくなっていくものです。
TREEHUBでは森林整備の支援の一環として、
間伐材を購入し、その木で製品をつくっております。
木の模様と手触りから、水の源である森を思い出して、
豊かなひとときとくつろぎを感じていただけたら幸いです。